長岡市定点観測

主に水道公園の日々の記録

天野尚写真展「創造の原点」

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現在、新潟県弥彦村で開催されている天野尚氏の写真展、

「創造の原点」に行ってきた。

 

氏は、新潟県を代表する世界的な写真家である。

写真活動以外では、ネイチャーアクアリウムの第一人者として、東京スカイツリー下の、すみだ水族館にある巨大な水槽の製作を手がけたことでも有名だ。

 

残念ながら今年8月に癌で亡くなってしまったのだが、亡くなる直前まで写真を選別していたという、この写真展に懸ける思いがひしひしと伝わってくる素晴らしいものだった。

 

アマゾンや東南アジア、アフリカなどの広大な自然の生命の息吹、そこに住まう人々の生活。

日本の自然の中に息づく四季、神社仏閣の緻密で静かな造形美。

超大伸ばしでプリントされた写真はまさに息をのむ迫力だった。

 

どれも大判フィルムカメラで撮られていたが、中でも圧巻だったのは、富士フイルムが天野氏の為に作ったと言う8×20という超大判フィルムと、特注のカメラで撮られた新潟県の自然だ。

普通の大判フィルムでも十分素晴らしい描写だが、8×20で撮られた写真の圧倒的な解像力と階調表現は視力6.0の世界と言われ、まるで実際にそこに存在しているかのような立体感は、現在のデジタルカメラでは到底及ばないであろう極致である。

カメラとフィルムの実物も展示してあったのが興味深かった。

 

そして、病に冒されて命が僅かな中で撮影されたモノクロスナップの作品群からは、それでも、生きて、写真を撮り続けたいという息づかいが生々しく感じられた。

 

 

圧巻だった。

氏の思いや、その思いに応えようとこの写真展を開催したスタッフの真摯な対応、気配りなどが行き届いており、会場も観光地から離れた静かなところでなかなか上質な時間を過ごすことができた。

これは、県外からでも訪れる価値は十分にある写真展だ。

10月12日(月)まで開催しているので、また行きたいものだ。